“異界”になりつつある上野アメ横 街角裏散歩

ガキの頃からウロウロして、最近は旧花街周辺を調べたり、上野駅から実家に帰ったり、また以前は近所の湯島に住んでいたりと、上野周辺は定点観測しているような感じになってるんですが、ここ数年で一番変化した場所はどこかって問われたら、恐らくアメ横と答えるでしょうね。
今回はその変わりっぷりを紹介して行こうってわけです。以前、立ち飲み地帯になりつつある高架の東側を紹介したんですが、今回は西側。アメ横センタービルを中心に。かつての焼け跡闇市の中心地ですね。最近だと、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のロケ地になったりしてるんですが、実はそれで何かその“变化(へんげ)”の進行がどうなるのかなと思っていたんですが、全然変わらん。というか、便乗してホントにご当地アイドルの劇場が出来ちゃったりして、ますますカオスになってしまったというか。

んじゃあ、一度しっかり押えておきましょうかね、てなわけです。ということで以下よろしく。
アメ横・いつも閉店セールの店
アメ横自体の説明ナンカはしてもしょうがないと思うので(以前ちょっとふれましたし)、どんどん進めますが、上野駅方面から入ってまず目立つのは閉店商法のお店ですかね。“今日”閉店なんでカバンとかアクセが全品1000円!(3000円!と5000円!も多い)とかオッサンが台に乗って叫んでいるアレです。当然ながら、“明日”も普通に営業しています。そういう商売です。最近ではアメ横じゃ飽和状態でそんなにアチコチで閉店すんのかよ!ってことになっちゃったんで、秋葉原の方にまで出張していたりします(駅近くにしばらくありましたよね)。ただ、この商売昔からアメ横で目立っていたかというと、そうでもなく、確かに昔からあったことはあったんですが、ここ数年で異様に増えたって感じがします。アジア方面から流れてくるバッタモンがダブついてるとか、その辺は業界的事情があるんでしょう。
アメ横・カットフルーツの店
そしておなじみカットフルーツの店。ゴールデンウィーク期間中ってことで、中学生くらいのお子様が多いです。そして同じくらい多いのが、中華系と東南アジア系の団体様観光客。原色系のものを多く身につけているので、日本人との区分が無いようで有ったりします。まぁ日本に来るのはそれなりの富裕層でしょうし、その辺アクセなんかでもね。
実はココ数年、コチラ方面からの観光客が異様に増えてるんですよね。どうも旅行のコースとして定着しているようです。間違いなく、アメ横変化の一要因と言いますか。閉店商法ともかぶってるんですよね。なお、韓国系の方々も多いんですが、こっちは個人旅行者中心なので、余り目立ちません。
カットフルーツの店の前には中華系の食材店があります。といっても、横浜中華街にあるような生易しいものではなく、ちょっと日本人からするとギョッとするようなものが並んでいたりします。この店そこそこ前からあるんで、中華系の人達が利用する食材店として完全に定着しているようです。恐らくアメ横自体、(特に中華系の人々の間で)そういった位置づけの場所となってしまっているんでしょうね。この辺は追々ふれていきますが。
アメ横・タイ料理屋
ここで、東側(立ち飲み通り)へ抜ける道があるんですが、ここにタイ料理が新しく出来てました。タイ料理屋なんだけど、看板に漢字とハングルが書かれているってのが、現在のアメ横の何事かを象徴しています。それにしても、ボクシンググローブが飾ってあるけど、ムエタイでも見ながら飯食うんでしょうか。今度時間があったら入ってみるかな。
アメ横・昔ながらの魚屋・その一
ここで、アメ横センタービルを挟んでのアメ横通りと上中通りといった感じで三叉路となっているのですが、一旦アメ横通りに入ります。
アメ横・昔ながらの魚屋・その二
しばらくは昔通りの魚屋さんが並んでいるんですが、段々と面白いことになってきます。
カフカスケバブ
まずはドネルケバブの店、まぁこの辺は珍しくないですかね。秋葉原にもやたらとありますし。カフカスケバブって辺りが面白いんですが。それしても、店員の客引きの上手いこと。もちもちポテトってのも同じ店経営のようです。ただ、ちょっと気になったのは放射能マークの張り紙があること。やっぱり外国人の観光客だと気にする人も居るんでしょう。今後、雁屋哲の影響で日本人の店でもやる店出てくるんじゃないですかね。
アメ横・韓国系屋台
お次は韓国系のお店。闇市からの流れで、アメ横(というか上野)には韓国系のお店も多かったんですが、現在は少数派になっちゃってます。それに、やってるのは昔から居る在日系ではなく、ニューカマー系ですしね。
アメ横・朝鮮族系の店
朝鮮族系と思われる店もありました。完全に日本人向けじゃないな。
アメ横・チキンマン
何故か、フランス風ローストチキンと称する店もあります。ただ、店員さんはどうみてもアラブ系なんですが。チェニジアの人なんでしょうか。
アメ横・中華系の店
そして、何と言っても多いのが中華系の店。こっちも日本人も相手にはしているんだけど、どうも基本中華系観光客相手っぽいんですよね。メニューが簡体字、繁体字だったりして。
アメ横・油条
なにしろ、最近よく見かけるようになった油条はもちろん。
アメ横・鶏の足とアヒルの頭
鶏の足とアヒルの頭まであるんですよ。豚足もあるな。というか、コレはちょっと前まで見かけなかった。どうも、段々と並べる品物が向こう寄りになっているようですね。人が多過ぎて、買う気にならなかったけど、鶏の足は今度買うしか無い。しかし、こういうもんは向こうの人にとっての味噌汁みたいなもんなんでしょうか。なお、この辺りにも昔からの魚屋とかあるんですが、店員が中国語で呼び込みをしていたりと、そっち方面が濃くなってます。その間でナイジェリア系のブラザーが呼び込みしてたりしてカオス。
アメ横センタービル・階段
さて、ザッとアメ横通りを流してみましたが、ここからがいよいよ真打ち。アメ横センタービル地下に潜入です。地下食品街ですね。一度上中通りに回りこむカタチでセンタービルに階段へ。降りる前から何か下から生臭いようなニオイが漂ってきます。踊り場の写真がこれまたアジア、アジアでそれをシッカリと盛り上げてくれます。
アメ横センタービル・地下食品街・その一
降りると、休憩所(タバココーナー)になっているんですが、それを過ぎると、ここどこの国?みたいな景色が広がっているんですよ。
アメ横センタービル・地下食品街・その二
むき出しで売られる肉塊。
アメ横センタービル・地下食品街・その三
調理用バナナ。
アメ横センタービル・地下食品街・その四
山積みの鶏の足。豚足。なるほど、ここから仕入れているのか。
アメ横センタービル・地下食品街・その五
中国式に“甲魚”と書かれたスッポン。隣は空だったんですが、“雷魚”と書かれた名札がありました。
アメ横センタービル・地下食品街・その六
東南アジア系の料理に使うと思われる各種香辛料。
アメ横センタービル・地下食品街・その七
食用ひまわりの種と、よく判らない干し山菜。
アメ横センタービル・地下食品街・その八
各国ビーフンなんてのもあります。横にココナッツあるし。
アメ横センタービル・地下食品街・その九
豚の内蔵モロモロ。タンが並んでるとちょっと迫力があります。
アメ横センタービル・地下食品街・その十
生豚足(猪足ってのがイイですよね)ってのもあったり。
アメ横センタービル・地下食品街・その十一
こういうもんがビッチリと両側の店に並んでいるわけですよ。そして売ってるのも、買ってるのも基本日本人じゃないという。昔ここはちょっと珍しい部位が売ってる肉屋とか、余り見たことがない魚を売ってる魚屋、同じく八百屋とかがあったりして、確かに特殊ではあったんだけど、いつの間にかこんなことになっちゃったんでしょうか。しばらくぶりに降りてみたら、こんなことになってたんで、ビックリしたのは数年前。別のベクトルでの特殊化がどんどん進んでます。
アメ横センタービル・地下食品街・その十三
しかし、上を見てみると、昔の看板らしきものがチョコチョコと残っていたりするんですよね。向こうの人にアピールするものを向こうの人を雇って売るようになっただけで、オーナーは変わっていないのかな?ただ、ここの店員さん達は、その辺にある中華系経営中華屋の店員と違って、完全にスルドイ大陸目なんですよね。視線がキツイ。やっぱり日本人の中で揉まれないと、あーゆーもんは抜けないもんなんだなぁ、と関心しちゃったり。というわけで、極力写らないように気を使っております。タトゥー入った人も居たりしますし。
アメ横センタービル・地下食品街・その十二
ただ、アメ横センタービルは昔から、輸入菓子を売ってたりして、それを買いに来る外国人達が来ていたりもしたので、その流れもあるんでしょうか。で、どの国っぽいの?って辺りなんですが、それが絶妙なことになっているってのが、ここのミソでして、アメ横を土台に各国が入り交じっているんで、うまい具合にカオスになっているんですよね。
アメ横センタービル・地下食品街・その十四
アメ横プラス『ブレードランナー』プラス『クーロンズゲート(そういうゲームがあったんです)』って感じですか。やや中華色強し、なんですがどこの国ってわけでもないというか。始めて来た時は、オレはデッカートにでもなったのかと思いましたよ。今後、コレがどう育っていくのか非常に楽しみです。ということで、上野にお越しの方でモノズキの方は、ぜひアメ横にお寄りになって、センタービル地下に行くことをオススメします。アジア系の食材をお探しの方もね。

東京都台東区上野4丁目7−8

アメ横センタービル
東京都台東区上野4丁目7−8

ブレードランナー ファイナル・カット(字幕版)
Kowloon’s Gate Archives~クーロンズ・ゲート アーカイブス~ 通常版

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