映画と列車といえばリュミエール兄弟の昔から相性が良いと決まっているものである。
さらにその列車が暴走するとなれば、『キートン将軍』『新幹線大爆破』『暴走機関車』『暴走特急』と傑作アクション映画が生まれてきたのである。
さてトニー・スコット監督、前作『サブウェイ123 激突』では、オリジナルの『サブウェイ・パニック』の足下にも及ばぬ出来で、列車との相性が悪いかと心配されたが、今回同じ主演デンゼル・ワシントンできっちりリベンジを果たしてきた。
ベテラン機関士と新米車掌の葛藤劇、現場を理解しない会社上層部、など紋切型の表現も見受けられるが、
CGの使用は極力抑えて本物の列車を走らせスタント中心で撮影したそうだが、それによって表現される列車の重量感・破壊力が補って余りあるものになっている。
最近ウザく感じられるトニー・スコット独特のカメラワークも、今回は確実な効果をあげている。
音響面も含めてこれは是非劇場でみてもらいたい映画である。意味もなくクラッシュする自動車、エンドロールに流れる気の抜けるようなラップも含め実にトニー・スコットらしい映画である。