都内弁当最安値への旅・2012 贋作御馳走帖

4月 30, 2012 1 Comment by

昨今のデフレやらで自分の働く本郷地域でも数年前はワンコイン(500円)だった弁当相場は現在350円程度となっており、更に東大生協で280円の唐揚げ弁当を売ってたりするので、果たして都内弁当最安値はどの辺りなのか調べてみっかというのが今回の企画の趣旨である。もちろんキチンと食べてね。
と言っても、スーパーなんかじゃ余り物の惣菜で作った300円くらいの弁当が営業終了間近になると半値以下で売りだしたりするので、そういうものまで入れてしまうときりがない。というわけで、値引き等ではなく「普通」に「弁当」の形式で売っているもの限定とする。宅配弁当やオフィス街で平日だけみたいのも「普通」ではないし、調査もしきれんので除外。なんかユルくねとお思いの方も居るかと思われますが、あくまで、休日の暇つぶしにやってるのでこの辺はご理解いただきたい。同時に暇つぶしであるので、雁屋哲の「美味しんぼ」や辺見庸の「もの食う人びと」のような変な思想性は添加しておりませんので、用法及び容量にご注意の上、どうぞお気楽にお読みください。

まず最初に向かうのは谷中銀座商店街。ご存知のように現在谷中辺りは根津と千駄木と合わせて谷根千と呼ばれ、都内街歩き観光の一大スポットとなっている。自分もそんなに遠くない近所ということで自転車を流すには程よい距離の場所なのでちょこちょこと足を向けている。その時に通った谷中銀座の惣菜屋で確か安い弁当が売っていたことを記憶していたのである。
谷中銀座商店街
上の写真、夕焼けだんだん(手前の階段)下に伸びている小道が谷中銀座商店街である。休日っていうのもあるが、まだ10時くらいなのに結構な人が歩いている。谷根千で街歩きをしている二大典型はどこにでも居る男女混合年配者グループと単独の森ガールっぽい女性(一眼持ってたり)なんだが、どっちも周りの人間を見ておらず、自分が降りて(狭い商店街なので)気をつけながら押している自転車に勝手に当たって来ようとするという妙な共通点がある。
そんなアトラクションを乗り越えて、商店街の中ほどにあるのが「惣菜 いちふじ」。と、店の前まで来るとおもいっきり「撮影禁止」の札が下がっている。谷根千ではいきなり増えた観光客がなんでもバシバシ撮りやがるので結構警戒している店が多いのだ。愛玉子でもそうだったな。しょうがないので店の写真はナシ。店の手前から撮った商店街写真でご勘弁。
谷中銀座商店街・通り中程
「弁当250円」「メンチカツ150円」「コロッケ30円」という立看が並んでおり、その間を抜けて弁当ゾーン前へ立つと、オバちゃん店員がちょうど出来た弁当を並べているところだった。立看にあるように基本揚げ物専門な惣菜屋であるようで、弁当のおかずも基本それらを組み合わせたものである。四種類ほど弁当があったが、その中から揚げ物とローストチキン混合リレーなブツを購入。安っすいコロッケも買おうかと思ったが、後があることを考え止めておく。
いちふじの250円弁当
買ったはいいが商店街のど真ん中で食うわけにも行かないので、不忍池まで戻り花桃が満開の下で弁当を開く。何か風流気ではあるが、後ろでは公園の“住人”が拾ってきた空き缶をベキベキと潰してたりして騒がしい。
弁当のおかずはイカ天、レンコンのはさみ揚げ、アジフライ(半身)の揚げ物三種にローストチキンをメインにプラス漬物と筍煮といった感じで、250円にしては結構贅沢。ご飯もしっかりとした硬さがあり、大変よろしい。が、食い進めていて行くと致命的なくらいにおかずに味が足りないのだ。気持ちソースがかかったアジフライを食べてしまうと、味のないイカ天やおかずレベルには味付けされていないローストチキンで飯をやっつけていくのが結構厳しい。この辺は弁当屋さんじゃなく惣菜屋さんっていう辺りなんだろう。家に持ち帰って調味料プラスすれば、惣菜としてはしっかりとしてるんで、値段考えれば勉強してると言えるでしょうがね。うーん、一発目からそれなりの相手である。
浅草・雷門
次に向かうは浅草。こちらも現在は下町散策ブームに乗ってエラく混雑する街となってしまったが、元々の駄目なオッサンゾーンはウィンズ浅草を中心にしっかりと残っている。目指す店は国際通りからウィンズへ向かう道の途中にある「デリカぱくぱく 浅草店」である。このデリカぱくぱくは下町に数店舗ある激安弁当屋チェーンだ。今回の浅草店は結構目立つ場所にあるんで前から気になっていたんである。
デリカぱくぱく・浅草店
雷門から店のある六区街通り方面へ向かうと分かりやすく灰色のオッサン指数が上がってくる。その灰色指数が極まってくる六区街通りからビートたけしが修行していたストリップ劇場・フランス座が入る浅草演芸ホール脇を曲がると店はある。タイ式マッサージが横(二階)ってのもいかにもでよろしい。というか24時間やってんのね。作業服のおニイサンや競馬新聞片手のオッサンが弁当をビシビシと買って行く。自分もそれに混じり無難と思われる唐揚げ弁当を購入。250円となっているがこちらは税別で262円と谷中のものより12円高くなっちゃったよ。ともかく、問題はどこで食うかだ。
デリカぱくぱく・唐揚げ弁当
とりあえず浅草寺方面は歩いて行くと、途中に観光客用(に見せかけた灰色のオッサン休憩用)のベンチがあったので、ここで食うことにする。観光客や灰色のオッサン達が前をバンバン通るんだが、こういうところでもりもり飯を食えるかが男の分かれ目のような気がする。ナンの分かれ目なのかは知らんが。
弁当の中身は見ての通り至ってシンプル。緑の豆煮と飯にゆかりがかかってるのが特徴といえるかな。鶏唐揚げは安っすいおつまみでおなじみな感じのカラッと揚がってないタイプのものだ。しかし、この手の唐揚げってみんな似たり寄ったりだが、共通のズルズル唐揚げのレシピみたいなもんがあるんだろうか。そして弁当を食う上での問題は前のと同様に味が薄めってこと。かといってホモ弁みたいに塩コショウはついてないしな。しかし、この弁当の飯にはゆかりがかかっているので途中煮豆も摘みながらなんとか飯はやっつけていける。しかし、飯とおかずを別々に食うような感じになってしまい、イマイチ弁当食いの醍醐味が無いんだね。そんななんで途中で唐揚げが飽きちゃうってのがネックだろうか。なかなかパンチがヘビーだったが、ここも調味料があればもうちょっと戦いやすいかもしれない。
ウィンズ浅草
食い終わってから油を流したくなったので烏龍茶を買おうとコンビニに入るとATMの前が金を下ろす灰色のオッサンでいっぱい。しかし、これは外から来た子供連れの健全な観光客はビビるかもなぁ。浅草が健全な観光地へという流れでウィンズをどうするかって話は出てくるかもしれないな、なんて考えながら烏龍茶を買う自分はお茶が弁当の半分の値段って高くねとオッサン達と違うベクトルで金銭感覚がおかしくなっていたり。若干値段が上がっちゃったんで、次は確実に下げないとな、なんて。
両国橋からのスカイツリー
確実を求めて次に向かうは亀戸ってことでチト遠い。国際通りから江戸通りを靖国通りまで下がり、両国橋を渡って京葉道路を東へ。隅田川を渡ると空気感が全然変わるのが面白い。びっくりしたのは京葉道路に自転車専用レーンがあること。都心よりも進んでるじゃないですか。ママチャリの量が全然違うけどさ。
目的の店はその京葉道路沿い、明治通りとの交差点をちょっと過ぎたところにある「キッチンDIVE(ダイブ)」だ。名前もアレだが、なんとこの店の弁当は200円(税込210円)なのだ。
キッチンDIVE
確かこの店昔は東あずまにあった思ったんだけど、どうもそれなりにうまく行ってこういういい場所に移動してきたらしい。店の看板やらにはしつこいくらいに「200円」が並ぶ。「元祖」っていうのぼりはどうも新小岩やらで別に200円弁当を始めた店があるからだそうだ。同じ値段だし、流石にあっちまで行きたくないのでその店のことは聞かなかったことにしよう。
店の中は弁当が台の上に並べられているだけという簡素な造り。弁当は6種と結構ある。ちょろっと100円惣菜も端に並んでいる。とりあえず白米はもうちょっとと思っていたらうまい具合に炊き込みご飯の弁当があったのでそれを購入。今度も食う場所が問題なんだな。
亀戸・文泉公園
食い終わってから亀戸天神に参るつもりだったので、そちら方面へ向かいつつウロウロとしていると文泉公園とかいうこじんまりと殺風景な公園があったので場所が決定。しっかし、なんか知らん死んだような時間が流れている場所だな。というかこの辺りは駅前や幹線沿いから一歩入ると年寄りばかりなんだよね。もともと江東区は老人だらけの都営住宅やなんかがいっぱいで家賃が安いってことで若い世帯が越してきたって流れがあるわけで、そういう層に200円弁当が売れているんだろうな。もうちょい南の海沿いだとまた雰囲気が違ってくるんだけど。
キッチンDIVE・200円弁当
弁当はケチャップ風あんかけ(というかほぼケチャップ)がかかった白身魚のフライを中心に炊きこみご飯と煮芋と漬物と。白身魚を齧ってみると、高校の頃弁当に入れた揚げ物の残りを帰ってきてから食ったみたいな食感。正直あんかけも薄くておかずとしてどうなのか。気を取り直して食べた炊き込みご飯はかなり柔らかい。具が人参だけってのは仕方ないと思うが、こっちも味香り共にうっすいね。うーん、前の弁当からするとキッチリ50円分グレードが下がっているなという印象。というか無難かなと思って揚げ物ばっか選んできたけど、この手の弁当で揚げ物って逆に鬼門なのかもしれない。流石に今回は打たれたな。途中からなんか知らんが鳩が自分の前に集まってきたので(多分エサやってる年寄りがいるんだろう)そやつらに飯を分けたりしてなんとかやり過ごした感じ。
亀戸天神・参拝者の列
なんとか食い終わり亀戸天神へ。ここも休みだけに混み混みである。ちょうど藤の花が咲き始めってのもあるんだろうな。混み混みの中を本殿へ進んでいくと、太鼓橋の上から参拝の列がズラリと続いているのが見える。さて、並ぶかどうすっかとハムレット状態になっていると、同じく自分の隣から列を見たどっかのババア(多分下町出身)が「あたしゃもうすぐくたばるんだから、今更学業のご利益なんていらないから並ばないよっ!」とかっこ良くシャウト。吹き出しそうになりつつ、正しすぎるババアに敬意を表して自分もスルーすることにする。いやー、安弁当のジェットストリームアタックを食らって若干ささくれていた気分もすっかり持ち直したぜ。ありがとうどっかのババア。
船橋屋・黒蜜アイス
持ち直しついでに神社入口向かいにある船橋屋(くず餅で有名)の支店?でアイスを売っていたのでこれを買うことにする。というかこの当日気温が異様に高かったんである。買った黒蜜もなかアイスの値段は350円。弁当プラスペットボトルと考えるとたっかいなぁとデフレアタマで思ってしまったが、流石に美味しくて量もしっかりしていたので、すっかり満足して体力的にも回復回復。次で最後だし、なんとか頑張れそうだ。
いろは会商店街
亀戸天神から北へ向かい、スカイツリーを足元から眺めた後、桜橋を渡って隅田川西岸へと戻る。そして、そのまま現在は公園になっている山谷掘沿いを吉原大門方面へ。大門の先にある土手の伊勢屋やらが並ぶ前を過ぎると右手にアーケード付きの商店街が現れる。そこが最後の目的地であるいろは会商店街である。この商店街の奥がかつては山谷と呼ばれたドヤ(日雇い労働者)街だった(というか今もそうなんだが)というのは大概の人がご存知かと思う。最近じゃやたらと「あしたのジョーのふるさと」ってのをアピールしてるんでそっちでなんとなくって人もいるかな。
山谷・日本キリスト教団
ドヤとしての基本的な部分は残ってはいるものの(相変わらず酒のんだオッサンがあちこちにひっくり返っている)、公共事業も減り日雇い労働者達も高齢化したため、今は老人と福祉の街に変わりつつあるってのが最近のよくある山谷の説明。が、今回しばらくぶりに来てみたら若い人が増えているので驚いた。はじめは休日でフリーマッケットやっているからと思ったが、ドヤのすぐ周りに新しい住宅やマンションが増えているのだ。どうも土地安いんだからと気にしないで住んじゃう若い人が増えているようなんだね。外国人が安いからと泊まりに来るのと同じ流れっつーことかな。山谷でボランティアを続けているキリスト教団体の建物に「再開発反対!」とあったので行政も後押しをしているんだろう。うーん、山谷も江東区のように変わって行くのか。ちょっとふれるには深すぎるので山谷自体のレポを含め、この辺の変化は別にじっくりやることにしよう。
いろは会商店街・卯 USAGI
というわけで、弁当の方に戻る。最後の店を知ったのは実はテレ東でやってるアド街ック天国で去年放映した「山谷 泪橋」特集。ざっくりとしか覚えていないんだが、確か200円弁当を販売していたと記憶にあったのだ。店の名前は「卯 USAGI」。場所はいろは会商店街のちょうど真ん中だ。
と、店の前に行くと子供連れの奥様方が惣菜をお買い物中。終わるのを待ち、さーて弁当はと探してみるが、どうも目当ての200円のものがない。外国出身らしい店員さんに聞くとどうも並んでいるのはすべて300円であるらしい。カレーライスや麻婆丼は200円であるんだけど、丼物は弁当じゃないしなぁ。しかたなかんべと、とりあえず焼きそば(100円)と目玉焼き(100円)を買って帰ることにする。後で写真を確認してみると、店の横手に「弁当 200円」と書かれた看板があった。もしかすると200円弁当は平日のみとかかもしれない。「普通」に売ってるのと違うから最安値の軍配は「キッチンDIVE(ダイブ)」にということになるね。こっちは税込200円だから更新できるとおもったんだけどなぁ。山谷、亀戸に敗れたり。この勝負買っても微妙だったりするんだが。
卯の焼きそばと目玉焼き
最後になんか画竜点睛を欠くなあなんて思いながら目玉焼きと焼きそばを食うことにする。公園が見当たんなかったんでコンビニでトクホコーラ買って山谷のオッサンよろしく脇の路上(半分駐車場)で食わせてもらうことにする。まぁ最後にはふさわしい場所だな。目玉焼きはちょっと塩を付けだだけのもので、焼きそばは肉なしでもやしが入っている安くて懐かしい味だ。油っこい弁当に疲れていたので何か目玉焼きが妙に美味しかった。最後はこれで良かったのかもしれないな。
山谷兄弟の家伝道所
山谷にこれより安い弁当はあるのかというと、実はあったりする。キリスト教団体が“販売”する弁当だ。大体安いものは100円程度なんだけど、素材から寄付等で集めたどっちかいうと炊き出しに近い性格のもので、夕方やなんかに“販売”するらしい。確かに値段だけは最安値だがこれを食べるわけにはいかないよな。全然「普通」の販売じゃないし。安いからとドヤに泊まっている怠惰系のバックパッカーなんかが買いに来ちゃったりもするらしいけど。
それにしても、この街で地道にボランティアをしているのはいずれもキリスト教団体なんだねえ。表現規制なんかだとめんどくさい人達なんだけどさ。というか、仏教系は何やってんだよ。坊主カフェ始めましたとかドヤ顔してる暇あったらこっちのドヤに来いっつーの。
山谷の路地
というわけで、以上なんだけど、しばらく(黒いケースの)弁当はみたくないな。これやった当日の夜、油が悪かったのか(単に食い過ぎってのもある)胃がモタれて眠れなくなっちゃったよ。結論としては安弁当はいまいち身体にはやさしくないし、気分もやさぐれていくので続けて食うのは良くないって辺りでしょうか。というか、立て続けに食うバカ居ねえよ。次何かやるとしたら藪そば三本勝負とかさっぱりと攻めたいところだね。

追記(2013年7月18日)
どうもここ数日この記事を見に来る人が多いなぁと思ったら、ロケットニュース24が上記キリスト教団体がボランティアで“配給”している弁当を“激安弁当”と紹介しちゃったんですな。バーカバーカ。分かってやってるだけに悪質というか。「安い」のにはキチンと理由があるってのは書いてある通りですので、あっちを見てここに来たネットヤンキーのみなさま、ウェーイとか言って夜露死苦なノリで行ったりしないように。

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ライターの紹介

正規軍に偽装したWEBゲリラ屋。ゲバラよりはカミロ・シエンフェゴスって思うけどヨタヨタのカストロに一番感情移入してしまったり。

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1件のコメント to “都内弁当最安値への旅・2012 贋作御馳走帖”

  1. スーパー山谷人 says:

    うさぎ弁当、中の日本人に言えば作ってくれるよ!この店は魚系か、鉄板焼きの野菜炒め、生姜焼きみたいのばっかりで揚げ物が少ないね。歯の無い爺さん向きだよ、

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