有楽町 喫茶店「ストーン」 カフェブックマーク

今回紹介する「ストーン」はこのシリーズで最初に取り上げようと思っていた喫茶店でした。有楽町駅のほぼ真向かいで歩いてすぐの有楽町ビルディングの一階にあるこの「ストーン」。同ビル内にあるスバル座だけじゃなく日比谷、銀座で映画を見るときの時間合わせには丁度イイ店でちょこちょこと利用していたのですが、後で細かくふれて行く特徴的過ぎる内装だけでなく、調理場前の席に座っているシャンとして上品な女店主と思われる老婦人など個人的印象が非常に強い店だったんですね。

しかし、しばらく行かなかったところに“閉店”の噂を聞き訪ねてみたところ、営業時間であるのに入り口が固く閉じられていて特に張り紙のようなものも無く、その後何度か訪ねてみてもその状態なので、その突然の事態に戸惑いながらも、あぁまた好きだったお店が消えてしまったんだと何かポッカリとした気持ちで受け止めていたんですが、その後日比谷方面に用事がある時に前を通り「ストーン」跡は何か別の店が入ったんだろうかと覗いてみると普通に営業再開してました。一時的に“閉店”した事情は知りませんが、再開したのは何よりということで今回はこの有楽町の名喫茶店「ストーン」を取り上げようかと思います。
喫茶店「ストーン」入り口
「ストーン」といえば何と言ってもその内装です。自分がこのお店を知ったのも確か建築系か何かの雑誌のそういう特集だったんじゃないかとなんとなく記憶しています。「ストーン」は昭和41年(1966年)有楽町ビルディング完成と同時にオープン。オーナー(上記の老婦人)の実家が石材店だったことから石をモチーフとした内装設計を日本でのアメリカ式インテリアデザインのパイオニアとして知られていたパシフィック・ハウスに依頼(施工は大成建設)。こうして御影石をふんだんに使った当時としては斬新な喫茶店が誕生したわけです。正直、今やたらとあるオサレカフェなんか足元にも及ばないトータルデザインっぷりは今訪れても鮮烈なわけですから、オープン当時それはもう想像できるってもんです。
オープン当時の喫茶店「ストーン」
上の写真は昭和41年発行の飲食系雑誌に掲載された「ストーン」の写真です。オープン時からそっち方面からは大注目だったと。現在と違うのは椅子の色が白くなっていることで、これは年数を経て交換したか、染め直す形で補修したかどちらかでしょう。なお、この椅子も世界的に有名なインテリアデザイナー・剣持勇が天童木工で手がけたものです。壁の御影石に入っている溝は石を割るときに使ったものをそのまま利用したもので、そういう所も手を抜かずにわざわざ彫刻家に頼んだらしいです。
喫茶店「ストーン」見取り図
一緒に乗っている平面図を見ているとほとんど変わっていませんが、休憩室とそれにつながる通路が現在は禁煙席になっています。当時は禁煙なんて知らないよっていう昭和のおじさん時代ですから禁煙席はなかったようです。周辺でのオフィス働く(当時は東京フォーラムのある場所に東京都庁もあった)彼らがメインターゲット層だったわけで、今もその辺は変わっていないんでしょう。
喫茶店「ストーン」昭和41年オープン時
他にも白黒写真がいくつかありますが細かいところまでびっくりするくらい変わっていないですね。「ストーン」はテーブルが床に固定されていてレイアウトも全く変わっていないというか変えようがないので、この辺も全く変わっていません。レジスターも今も同じものが使われています。特徴的なカーペット張りに黒楕円の入った釣天井も全く同じです。完璧に完成されていたとはいえ、ここまで変わっていないというのはちょっと感動しますね。
喫茶店「ストーン」昭和41年の内装
と、古い雑誌でいろいろと昔の「ストーン」を確認した後にしばらくぶりに訪れてみたわけですが、日曜日の昼過ぎというのに妙に空いていました。もしかして以前訪れていた人達というか常連の方々、結構自分のように“閉店”しちゃったと思っちゃってるんじゃないでしょうか。まぁ偶然空いていたのかも知れませんが。
喫茶店「ストーン」店内01
とはいえ、こちらとしては店内がしっかり確認できてありがたいと思いながら窓側の端の席に。「ストーン」ではジュース系を頼むことが多かったんですが、今回は紹介なんだからと分かりやすくとホットコーヒー。そして食べ物をたのんだことが無かったなとハムサンドを追加。向かいで何か打ち合わせをしている人達の声が聞こえてくるんですが(他に人が居ないし、ちょっと声が大きかった)、どうも建築関係のよう。参考にでもするのでしょうか。
喫茶店「ストーン」店内02
テーブル上板は分厚いスモークガラスでこれも当時特注されたんでしょう。床はイタリア産の大理石と黒みかげ石のモザイク貼りでニクいくらい内装に隙のようなものがありません。自分の頭の横の窓側にはアルミ棒をつなげたオブジェがある(店内奥にもある)が、それはオープン時の写真と比べるとちょっと数が減っているようです。この辺は邪魔とか危ないとかこの辺いろいろあったんでしょう。
喫茶店「ストーン」壁
店内を見渡していて気づいたのは壁の御影石がオープン時よりも茶色っぽくなっていること。年月的なもので色が変化したというのもあるようですが、どうも照明が変わったというのも大きいのかな。個人的には今のほうが味が出ていて好きですね。
喫茶店「ストーン」コーヒーとハムサンド
やってきたコーヒーは560円。ハムサンドも同様に周辺の喫茶店相場からすると安いと言えますが、このお店の場所代ってのを考えるとさらに安いような気がします。何しろ店内に入るだけで1960年代のショーン・コネリーだった頃の007の登場人物になったような気分に浸れるわけですから。人によっては年月を経て味の出た店内の雰囲気から「未来世紀ブラジル」のようなレトロフューチャーな世界観に浸ることもできるんじゃないですかね。
喫茶店「ストーン」店内03
こういう本当に稀有な特徴のあるお店が再開して本当に良かったなと思います。有楽町駅からすぐという使いやすさはもちろん、その特別で洗練された空間の中に浸るもよし、もっともっと繁盛して末永く続いてもらいたいと思います。内装やインテリアの勉強をしている人は来るだけで得るものがあるでしょう。
喫煙席の方が広いのがなんなんですが、基本アダルトな空間ですし、歴史的経緯を考えれば深みが増すってなもんです。そういうことで避けてしまうのはもったいない魅力が喫茶店「ストーン」にはあります。と、強く断言しちゃったところで今回は以上。
喫茶店「ストーン」看板

喫茶店「ストーン」
住所:東京都千代田区有楽町1丁目10-1 有楽町ビルディング 1F
電話:03-3213-2651
営業時間:平日・土曜日8:00~22:00 日曜日10:00~19:00
※再開後営業時間等変わっているかもしれませんのでご注意を

東京都千代田区有楽町1丁目10−1

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